地域において担っている役割
消化器系を中心に救急患者の受け入れをはじめとする急性期から回復期医療及びレスパイト入院まで幅広く対応しています。更に、在宅療養支援病院の認定を受け、訪問診療や訪問看護、訪問リハビリテーションなどの在宅医療を提供するなど、地域における地域包括ケアシステムの中心的な役割を担っています。
経営の健全性・効率性について
収益の効率性としては⑤の入院患者1人1日当たり収益がまだ類似病院平均値並び全国平均には及ばない状況ではありますが、令和元年9月に病床機能転換、10月に病棟再編により療養病床を廃止し地域包括ケア病床を増床した効果により、単価が前年より3,447円増加しています。更に費用の効率性を追求し⑦職員給与比対医業収益比率や⑧材料費対医業収益比率が類似病院平均値や全国平均より低水準に維持した結果、①経常収支比率については100%を超え、②の医業収支比率についても類似病院平均値や全国平均を上回っているなど、一定水準の経営の健全性・効率性を確保しています。
老朽化の状況について
①有形固定資産減価償却率及び②機械備品減価償却率が類似病院平均値並びに全国平均を大きく上回っています。その結果③1床当たり有形固定資産額においては類似病院平均値並びに全国平均を大きく下回っており、類似病院や全国と比較して、施設の老朽化が著しく進行した状況となっています。
全体総括
年度途中の9月に地域医療構想を踏まえた病床機能の見直しを実施し病床機能転換、10月に病棟再編により急性期病棟をダウンサイジングし今後地域で必要とされる地域包括ケア病棟の拡充を図り、地域の公立病院としての役割を明確化しました。結果経営の健全性・効率性についても一定の成果を上げることができました。一方、施設の老朽化が深刻化していることから、安全・安心な医療の提供に向けての対策の検討が必要な時期に差し掛かってきているのが今後の課題となっております。今後は施設の老朽化対策を検討するうえでも、より一層の経営の健全化を図るとともに、地域の公立病院として、期待される役割を積極的に担っていきます。