経営の健全性・効率性について
経営の状況は、経常収支比率・料金回収率ともに前年度より上昇し概ね健全性が保たれている状況である。流動比率は償還金のピークが過ぎ、ここ数年横ばいで推移しており、企業債残高対給水収益比率についても類似団体の平均を下回っており減少傾向にある状況である。しかしながら基本計画に基づいた更新事業に着手し始めたことから、今後適切な投資にかかる検討と料金水準の見直しに取り掛かかる必要性がある。給水原価については、今後更なる維持管理費の削減を図り、経営改善を検討する必要が認められる。施設利用率及び及び有収水量については、施設の稼働状況は高いものの有収率が全国及び類似団体と比較し大幅に低い状況である。令和3年度に漏水調査の実施し今後改善が見込まれるが、継続した調査・修繕により収益向上を図る必要がある。
老朽化の状況について
有形固定資産減価償却費率については、全国及び類似団体より若干高水準の状況であり年々増加傾向にあることから、基本計画に基づいた更新事業を着実に進めていかなければならない。管路の状況については、平成4年から平成19年にかけて老朽管更新を行ったが、未着手地域の管路から経年比率は年々増加傾向にある。また、管路更新率は全国及び類似団体の平均と比較すると極めて低い状況であるが、基本計画に基づき老朽管更新事業を開始したことから改善が見込まれる。
全体総括
経営状況は概ね良好である。しかし、老朽化した管路や施設・設備更新事業等課題が山積していることや人口減に伴う収益の減少が想定されており、持続可能な水道事業に資するため今後の水道事業経営の在り方を検討する必要がある。