漁業集落排水施設 特定地域排水処理施設 公共下水道 簡易水道事業(法適用) 農業集落排水施設 国保平内中央病院
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単年度の指数については平成27年度以降上昇傾向が続いているものの、類似団体平均と比較すると令和2年度も引き続き下回った状態となっている。令和2年度は、町の基幹産業であるホタテ養殖業は、例年並みに落ち着いてきている。一方で、普通交付税では、基準財政収入額で昨年の税収の落ち込みが反映され、市町村民税の所得割が-96,226千円で算定されたことが影響し、昨年度比+181,892千円となったほか、臨時財政対策債も増となったことから財政力指数も0.27と微増になっている。依然として類似団体に比べ財政基盤が脆弱であると言わざるを得ないことから、今後も安定的な自主財源の確保に努めつつ、ふるさと納税制度の活用や、使用料・手数料等の適時適切な見直し等積極的な歳入確保に注力しなければならない。
令和2年度は経常収支比率が82.2%となり、令和元年度比0.4%の好転となっている。歳出面で、除排雪経費の増(約+123百万円)や、補助費、病院への繰出金の増(約+88百万円)、消防の広域への負担金の増(約+22百万円)など増加しているものの、歳入で普通交付税の増(約+183百万円)、地方消費税交付金の増(約+44百万円)、森林環境譲与税の増(約+12百万円)などにより分母が増加する形となった結果、比率が下がった。類似団体比較においては、引き続き良好な状態を保っているものの、ホタテの水揚げが平準ペースになっていくと比率が上がっていくことが予想されるため、義務的経費の削減に努め、現在の水準を維持するよう努めていく。
人件費は、令和2年度決算額ベースで約1,003百万円となり、令和元年度比約+130百万円と増えた。地方公務員法及び地方自治法の改正に伴い、会計年度任用職員制度が始まったことが影響した。物件費は、GIGAスクール構想による小中学生への1人1台タブレット端末の導入により令和元年度と比べて約+45百万円、コロナ対策として防災用備品関連で約+36百万円の増となった。人口減少の影響もあるが、人件費・物件費の大幅な増額により、人口一人当たりの決算額は令和元年度に比べて増加となり、類似団体平均とほぼ同水準となった。人口減少やその年の動向等により左右されるが、適正な人員配置に努めながら、行政コストの圧縮を図り、現在の水準を維持していかなければならない。
ラスパイレス指数は、令和2年度において98.3となり、類似団体に比べ高い傾向が続いている。独自の給与カットはしていないものの、給与構造の見直しについては完全実施済みであり、15年度からは管理職手当の定額化により人件費を抑制している。特別昇給の是正も17年度に実施し、特殊勤務手当や地域手当についても該当していないため支給していない。また27年度からは給与制度の総合的見直しを実施しており、人件費抑制のために様々な取組を行っている。一方で高卒採用者の昇格が他団体に比して早め(個人の能力により早まる場合がある)になっていることや、4級(課長補佐級)職員の占める割合が全体の約4割を占めること等がラスパイレス指数を高止まりさせている要因となっており、全体の職層のバランスを適正に調整しなければならない。
平成17~20年度までの間、定年退職者分について不補充としていた経緯もあり、集中改革プラン(平成17~21年度)の計画値を上回るペースで職員数が減少してきたが、平成21年度以降は毎年度5名程度の新規採用を行っており、また近年は定年退職者の再任用も開始していることから、職員数は増加傾向となっている。27年度末に策定した定員管理計画(28~32年度の5ヶ年)においても、最終年度における目標値を27年度職員数から+6名とした212名(+2.9%)で掲げていたものの、計画最終年度の職員数の実績は227名となった。類似団体平均に比べ職員数が少ない状況にあるため、人員の増調整はやむを得ないものと考えるが、一方で、全国平均や青森県平均に比べると高水準にあることから、行政サービスの質を維持しながらも、簡素で効率的な組織機構の構築に努め、より適正な人員配置や指定管理者制度等の導入によって引き続き適切な定員管理に努めなければならない。
実質公債費比率は、令和2年度において9.8%となり、令和元年度比0.6%の好転となった。これは、平成29年度に元利償還金額がピークを迎え、以後単年度の実質公債費比率が元利償還金の減により、減少してきていることが要因となっている。類似団体比較においても、令和2年度は平均値をやや上回ることになった。これまでの元利償還金の減少傾向は今年度を境に今後は増加傾向へと転ずる。防災無線の更新工事の元金償還が3年度から始まることや、過疎対策事業債発行額の増や、その他の老朽化した公共施設等の更新にかかる起債発行が見込まれており、当面の間、比率の悪化が懸念されるため、中長期的な財政見通しに基づき、公債費の動向を注視する必要がある。
将来負担比率は、令和2年度において84.1%となった。令和元年度比約8.8%悪化した。これは、消防庁舎や防災無線の更新による緊防債発行による地方債残高の増(昨年度比+1,181百万円)の影響が大きい。緊防債の元利償還が開始されれば、公債費が上がりさらに比率は悪化する見込みである。類似団体比較においても、引き続き高い水準で推移していることから、今後も事業の必要性、優先順位を考慮しながら事業を取捨選択し、公債費残高の減と基金積立額の増の両面から将来負担を軽減できるよう努める。
類似団体比較では、人口1,000人当たりの職員数及び人件費の経常収支比率ともに下回っている状態が続いている。経常的な人件費は、令和2年度決算ベース約828百万円で、令和元年度比約24百万円の増となったが、交付税の増等により0.6%の好転となった。今後も人件費は大きな割合を占める経費であることから、適正な人員配置や再任用制度の運用、指定管理者制度の活用等を検討し、不断の努力により、行政コストの圧縮を図らなければならない。
物件費に係る経常収支比率は、経常的な物件費が令和元年度より約34百万円減額し、比率としては1.3%好転する結果となっている。これは会計年度任用職員制度の開始に伴った臨時職員等の人件費が物件費から人件費に移行されたためである。物件費に係る経常収支比率は類似団体の中で特に良好な状態ではあるが、専門的かつ細分化した業務に対応するために増加する外部委託経費など、今後も物件費を増大させる要因が数多くあるため、引き続き経費削減に努めていかなければならない。
扶助費については、近年、類似団体平均とほぼ同水準の比率で推移している。経常的な経費は令和元年度に比べ約20百万円減少し、平成29年度から人口減少・少子化対策として町独自で保育料等の完全無償化を始めたことから、増加傾向にあったが、令和元年10月から国の無償化事業が開始されたことにより減(-14百万円)、更に小中学生へのコロナ感染対策がなされてきたことから乳幼児・子ども医療給付費が減(-6百万円)と減少傾向にある。今後も人口減少対策は継続的に実施する予定としており、扶助費に対する町負担の増は保育料以外にも避けられない見通しであるが、必要経費と住民サービスとの費用対効果を見極めたうえで事業を実施していきたい。
令和2年度は大雪の年であったことから、維持補修費に係る経常経費は除排雪経費の増により、令和元年度に比べ約104百万円増加しており、経常収支比率も2.5%増加している。また繰出金については、主に漁業集落環境整備事業、公共下水道事業等への繰出金が減少し、経常経費ベースで約6百万円の減となっているため、比率を上げる要因とはなっていない。今後は除排雪経費が通常ベースに戻り、税収等も減少傾向になると思われることから、公営企業会計にあっては独立採算の原則に基づいた収入確保や適切な会計処理を求めながら繰出金を精査していく必要がある。
経常的な補助費等総額で令和元年度より約133百万円増加し、令和2年度の補助費等に係る経常収支比率は2.0%上昇し、類似団体平均より悪化している。主な要因として、青森地域広域事務組合負担金(消防分)が高機能消防指令システム整備事業設計業務委託料、搬送車、水難救助車等の増により、令和元年度比51百万円の増である。またコロナ関連の経費として病院事業への補助も膨らんでいることから、一時的な変動によるものもあるが、経常経費の総額に大きな変動がない限り、今後も同水準を辿る見込みである。補助費は事業自体の精査から経費の圧縮に努めていく必要がある。
公債費に係る経常収支比率は類似団体平均に比べ低い状態を維持している。普通会計においては臨時財政対策債の累積発行額が増えているものの、過去に普通建設事業に係る起債事業を抑制してきたこともあり、プライマリーバランスの黒字化を続けてきた結果である。しかしながら、平成22年度から新たに過疎地域指定を受けたことに伴い平成23年度からは過疎対策事業債を活用し始めたことや、消防庁舎や防災無線の更新が行われたことにより、町全体としての地方債の発行額が増加しつつあり、平成29年度をピークに公債費はしばらく減少するものの、令和3年度以降は増加傾向に転ずる見通しであることから、中長期的なスパンで公債費を注視していく必要がある。
令和2年度決算においては、経費別の経常収支比率が扶助費や補助費等で類似団体平均を超えているものの、人件費や物件費では下回る状況にあり、特に物件費の比率が類似団体平均に比べ良好なことが大きく影響し、全体(公債費除き)の比率としても類似団体平均より低い水準(良好な状態)で推移している。今後も経常経費のより一層の削減をめざし良好な状態を維持できるよう努めたい。
(増減理由)主な増要因は、財政調整基金へ約80百万円を歳計剰余金として、減債基金へ約40百万円積み立てたこと、特定目的基金である森林環境基金へ約11百万円積み立てたことであり、一方主な減要因は、公共施設等整備基金のうち、約100百万円を老朽化した公共施設の整備財源とし、下水道事業債償還基金のうち、前年度積み立て分を取り崩し、償還財源としたこと、特別導入事業基金の県造成分の主体間調整により、県へ基金の一部返還分を取り崩し、財源としたことである。(今後の方針)財政調整基金は、地方交付税の減や災害発生時の対応、社会保障関係経費の増大に備え、取り崩し等に配慮しながら積み立てを考えたい。減債基金は、将来の公債費負担を勘案し、経費削減等により捻出した財源を長期的に積み立てを行い、公債費負担の平準化のため、財政状況を見ながら徐々に取り崩しを行う見通しである。その他特定目的基金については、公共施設等整備基金以外の基金は現状を維持する見通しで、公共施設等整備基金は公共施設等の整備にかかる需要が増大した際に取り崩しを行う考えである。
(増減理由)地方交付税額の減や災害発生時の対応、社会保障関係経費の増大などに備え積み立てを行っており、令和2年度は基金運用益の発生に伴う微増となっている。(今後の方針)将来需要が見込まれる減債基金や公共施設等整備基金(特定目的基金)を重点的に積み増し、基金運用益のみの積み立てをしてきたところであるが、公債費の増や、老朽化した施設の更新についての財源等を考慮し、財政調整基金に積み立てることも検討していきたい。
(増減理由)老朽化した消防庁舎や防災無線の更新により、地方債残高が増加していることから、本庁舎の更新や中学校の改修工事等による将来の更なる公債費負担に備えて積み立てを行っており、令和2年度は、基金運用益と経費削減等により捻出した財源を積み立てたため増となっている。(今後の方針)今後の公債費の増と財政状況を見極めて、必要な分歳計剰余金処分に伴う積み増し等を考慮していきたい。その後、中長期的に公債費の伸びと財政状況を勘案して基金の取り崩しを行う見通しである。・公共施設等整備基金:町が行う公共施設、その他の施設の整備に要する経費の財源に充てる。・地域づくり特別事業基金:地域の実情をふまえ、個性豊かな魅力ある地域づくりを行い、町の活性化を推進する。・地域福祉基金:高齢者の居宅における福祉の増進に関する事業等を行う団体に対する補助等を行い、高齢者福祉の増進を図る。・下水道事業債償還基金:公共用水域の水質保全と町民の生活環境の向上を図るために生活排水等の処理施設を整備する事業に関する下水道事業債の元利償還に要する経費の財源に充てる。・森林環境基金:森林環境譲与税を森林経営管理のための経費の財源に充てる。
(基金の使途)・公共施設等整備基金:町が行う公共施設、その他の施設の整備に要する経費の財源に充てる。・地域づくり特別事業基金:地域の実情をふまえ、個性豊かな魅力ある地域づくりを行い、町の活性化を推進する。・地域福祉基金:高齢者の居宅における福祉の増進に関する事業等を行う団体に対する補助等を行い、高齢者福祉の増進を図る。・下水道事業債償還基金:公共用水域の水質保全と町民の生活環境の向上を図るために生活排水等の処理施設を整備する事業に関する下水道事業債の元利償還に要する経費の財源に充てる。・森林環境基金:森林環境譲与税を森林経営管理のための経費の財源に充てる。(増減理由)・公共施設等整備基金:老朽化が進む公共施設の整備の財源とするため約100百万円取り崩したことが大きく影響し減となっている。・下水道事業債償還基金:県からの補助金を原資に約4百万円を積み立てる一方で、前年度積み立て分を取り崩して下水道事業債の償還財源に充てていることから、ほぼ横ばいで推移している。・森林環境基金:森林環境譲与税のうち森林経営管理のための経費へ充当した残りを積み立てたため増となっている。(今後の方針)・公共施設等整備基金:前述の増減理由に記載のあるとおり、将来の財政需要に見極め、引き続き経費削減等により捻出した財源を積み立てしながら、公共施設等の整備にかかる需要が増大した際に取り崩しを行う見通しである・その他の特定目的基金:前述の増減理由に記載のあるとおり、今後も推移していく見通しであることから、基金残高はほぼ横ばいになると見込んでいる。
当町では平成29年度に公共施設等総合管理計画を策定し、公共施設等の長寿命化に加え、公共建築物の延べ床面積を3割削減する目標を掲げた。有形固定資産減価償却率は類似団体より少し高い水準にあったが、令和2年度は消防庁舎等の大規模な更新事業の影響もあって若干、類似団体平均より下回った。今後は個別施設計画により、公共施設等の効率的な管理を推進していく。
債務償還比率は類似団体平均を上回っており、主な要因として令和2年度は消防庁舎や防災無線更新等により基金の取崩しと地方債発行額の増加により比率の増加につながっていることが考えられる。この増加傾向は、今後の中学校の統廃合、本庁舎更新等により比率はさらに増加が見込まれるため、これまで以上に中長期的な財政見通しに注視する必要がある。
将来負担比率は類似団体に比べ基金の現在高が少ないことが影響し、高い水準で推移しており、また有形固定資産減価償却率も全体的に施設の老朽化が進み、類似団体よりもやや低い水準となっている。今後は、公共施設等総合管理計画に基づき、老朽化対策に取り組んでいき、施設の更新や除却が進み有形固定資産減価償却率は減少傾向となるが、起債額が増加することや基金の減少が予想されるため将来負担比率はより高い水準になることが見込まれる。
実質公債費比率は普通会計等の起債発行抑制の時期(平成17~23年度)を経たことで公債費が減少し類似団体と比較して同程度の水準で推移している。一方で、将来負担比率は類似団体に比べ基金の現在高が少ないことが影響し、高い水準で推移している。老朽化した公共施設等の更新に向け特定目的基金の積み増しを継続してきたが、消防庁舎と防災無線の更新により基金の取崩しと地方債発行額の増加により両比率の悪化が令和3年度以降は見込まれる。さらに今後は本庁舎更新が予定されているため、これまで以上に中長期的な財政見通しに注視する必要がある。
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