経営の健全性・効率性について
【経年比較】当該値経年比較では、⑥汚水処理原価の変動が大きい。これは、令和2年度から地方公営企業法を適用するため、令和元年度決算は令和2年3月31日をもって打切決算としたことが影響している。【類似団体比較】類似団体との比較では、⑤経費回収率及び⑥汚水処理原価の類似団体平均値との差が大きい。これは事業規模が小規模であるうえ、地理的な要因から汚水処理経費が多大にかかっていること等が要因であると考える。【下水道事業の現状】当市の漁業集落排水処理施設は下水道整備を終了している。人口減少に歯止めがかからず、有収水量も減少傾向にあることから、今後とも下水道接続をPRし、水洗化率の向上に努め使用料収入を維持していく必要がある。
老朽化の状況について
当市の漁業集落排水処理施設は、平成12年度に供用開始しているが、供用開始からの年数が浅く管渠・施設等の老朽化による更新は行っていない。しかしながら、施設内の機械設備等は順次に耐用年数を迎えることから、適切な資産管理・資金計画を行う必要があるため、ストックマネジメント計画に基づき計画的な管渠・施設の更新を実施するよう努める。
全体総括
各指標を改善するためには、有収水量を確保し使用料収入の増収を図ると共に汚水処理費にかかるコスト削減に努める必要がある。平成29年から令和元年にかけて使用料改定を行い、類似団体と比較して安価な設定となっている使用料単価を改定し、使用料増収により経営基盤の強化を図った。また、令和2年度より地方公営企業法を適用し、企業会計による経営管理の強化に取り組む。しかしながら、漁業集落排水処理施設という特性上、事業規模が小さく経営健全化を図りにくいという背景はあるものの、使用料改定による増収は一時的なもので抜本的な解決には至らず、下水道水洗化率も類似団体平均値を超える値となっており、現状の経営状況を打開するほどの施策を講じることは難しく、将来的に事業継続を含めた検討を要する。