長沼町：町立長沼病院

地域において担っている役割

一般病院として初期治療を中心に早期発見・早期治療を実施しているほか、長期入院患者・外来患者の対応のため高度医療機器等を整備して、医療サービスを提供している。また、救急告示病院として、救急患者の受入体制を整え対応しているほか、町内の身近な医療機関として、各種検診・医療相談等の保健衛生活動を行い、町民の健康増進の拠点しての役目を果たしている。

経営の健全性・効率性について

前年度比で経常収支比率は同率となったものの、医業収支比率は1.6％減少している。これは患者数の減少（前年度比入院患者△3,612人、外来患者△2,680人）し入院収益・外来収益が減少したことが主な要因である。1人１日当たりの収益は、入院は単価が増加したものの、入院・外来ともに全国平均・類似病院平均を大幅に下回っており、安定した収益確保に向けた患者数・病床利用率の増加が課題となっている。職員給与費対医業収益比率は全国平均・類似病院平均を大幅に上回っている状況であり、収益に対して職員給与が高い割合を占める状況が続いていることから、適切な職員配置等について検討する必要がある。

老朽化の状況について

固定資産償却率は、全国平均・類似病院平均を大幅に上回っている。医療機器備品については令和元年度に更新したものがあるため償却率が前年度から減少したが、その他の医療機器は法定耐用年数を超えている又は近づいているものが多い状況である。老朽化が進んでいる償却対象資産、特に機械備品に関しては、適切な医療サービスを提供をするうえで重要なものであり、今後の経営状況や経営改善の方向性を踏まえながら、早急に計画的な更新を検討する必要がある。１床当たりの有形固定資産は、全国平均・類似病院平均を下回っており過大投資とはなっていないと考えるが、引き続き経営状況・経営改善の方向性を考慮し、適切に固定資産の更新を行っていく。

全体総括

人口減少や高齢化、札幌圏に近い立地条件などが影響し患者数が減少していると考えるが、今後、きめ細かいサービスの提供や病床利用率の向上、施設基準の見直しなどで収益確保に繋げていく。経費については、適切な職員配置、業務の見直しや効率化を進めるとともに、施設・医療機器の計画的な更新を検討しコスト縮減に努める。経営改善にあたっては、改革プランに基づき、適切な診療報酬の請求、未収金の発生防止と回収対策などを進め収支の改善を目指す。また、近隣医療機関との連携についても、救急医療体制や医療機関相互の役割分担等を積極的に検討する。今後も地域医療の確保に向けて、地域のニーズを的確に把握し、実情にあった医療サービスを提供できるよう体制を整備していくことが重要である。